題: 「祝福の授与」
聖書の箇所 「ルカの福音書1章8~23節」(新106頁)
※聖書:新改訳2017©2017 新日本聖書刊行会
8 さてザカリヤは、自分の組が当番で、神の前で祭司の務めをしていたとき、
9 祭司職の慣習によってくじを引いたところ、主の神殿に入って香をたくことになった。
10 彼が香をたく間、外では大勢の民がみな祈っていた。
11 すると、主の使いが彼に現れて、香の祭壇の右に立った。
12 これを見たザカリヤは取り乱し、恐怖に襲われた。
13 御使いは彼に言った。「恐れることはありません、ザカリヤ。あなたの願いが聞き入れられたのです。あなたの妻エリサベツは、あなたに男の子を産みます。その名をヨハネとつけなさい。
14 その子はあなたにとって、あふれるばかりの喜びとなり、多くの人もその誕生を喜びます。
15 その子は主の御前に大いなる者となるからです。彼はぶどう酒や強い酒を決して飲まず、まだ母の胎にいるときから聖霊に満たされ、
16 イスラエルの子らの多くを、彼らの神である主に立ち返らせます。
17 彼はエリヤの霊と力で、主に先立って歩みます。父たちの心を子どもたちに向けさせ、不従順な者たちを義人の思いに立ち返らせて、主のために、整えられた民を用意します。」
18 ザカリヤは御使いに言った。「私はそのようなことを、何によって知ることができるでしょうか。この私は年寄りですし、妻ももう年をとっています。」
19 御使いは彼に答えた。「この私は神の前に立つガブリエルです。あなたに話をし、この良い知らせを伝えるために遣わされたのです。
20 見なさい。これらのことが起こる日まで、あなたは口がきけなくなり、話せなくなります。その時が来れば実現する私のことばを、あなたが信じなかったからです。」
21 民はザカリヤを待っていたが、神殿で手間取っているので、不思議に思っていた。
22 やがて彼は出て来たが、彼らに話をすることができなかった。それで、彼が神殿で幻を見たことが分かった。ザカリヤは彼らに合図をするだけで、口がきけないままであった。
23 やがて務めの期間が終わり、彼は自分の家に帰った。
1,ザカリヤ夫婦にとって、長年子供が生まれないことは大きな試練でした。しかし、年を経て老齢になったザカリヤにとって、嫡男の獲得は必ずしも悲願では無くなっていたようです。人間の悲願は、年を経るごとに変わっていきます。そんなザカリヤの為に、神様はどのような形で祝福を授与されたのでしょうか。
2,実は、ザカリヤ自身はヨハネ誕生に至っても、「この子の誕生によって悲願が果たされた」とは一言も発言していませんし、ガブリエルから「あなたの願いが聞き入れられた」と言われたのも、彼が神殿の聖所で香を焚いて祈っている時でした。通常、祭司は聖所で私事ではなく「イスラエルの救い」の為に祈りますから、老齢のザカリヤにとっての最大の関心ごとは、公私隔たり無く、イスラエルの救いが果たされることだったと判るのです。勿論、若い日に彼が子供を切望したのは間違いないでしょうし、それに応答して、神様が特別な子供を授けようと決断されたことも確かだと思われます。しかし、それに応えるだけでは、彼がやがてイスラエルの救いを切望して苦しむ結果になるのを防げないことを、神様は知っておられました。そこで神様は、若い日や老いた日の彼だけを喜ばせるのではなく、ザカリヤの人生全てを喜びで総括させる為の応答を取られます。救いに関わ
る特別な子がこの時与えられたのは、その為だったのです。
3,しかしザカリヤは、その「福音」をどうしても信じられませんでした。神の御業が実現する様を、まだ見たことがなかったからです。その時もガブリエルは、彼を静寂と沈黙の中に置き、主の御業を目撃したザカリヤが、自身の祝福を喜ぶことが出来るように整え始めます。このように、神様は「ザカリヤを喜ばせる」という望みを果たす為に、祝福の与え方の全てを徹底的に吟味されたのです。与えると決めた祝福の為に、ここまでの情熱
を注ぐ。それが、私は在ると言われる生ける神様なのです。

