「題」 「モーセ-引き出された人」
聖書の箇所 「出エジプト記2章1~10節 」(旧約P.100)
※聖書:新改訳2017©2017 新日本聖書刊行会
1 さて、レビの家のある人がレビ人の娘を妻に迎えた。
2 彼女は身ごもって男の子を産み、その子がかわいいのを見て、三か月間その子を隠しておいた。
3 しかし、それ以上隠しきれなくなり、その子のためにパピルスのかごを取り、それに瀝青と樹脂を塗って、その子を中に入れ、ナイル川の岸の葦の茂みの中に置いた。
4 その子の姉は、その子がどうなるかと思って、離れたところに立っていた。
5 すると、ファラオの娘が水浴びをしようとナイルに下りて来た。侍女たちはナイルの川辺を歩いていた。彼女は葦の茂みの中にそのかごがあるのを見つけ、召使いの女を遣わして取って来させた。
6 それを開けて、見ると、子どもがいた。なんと、それは男の子で、泣いていた。彼女はその子をかわいそうに思い、言った。「これはヘブル人の子どもです。」
7 その子の姉はファラオの娘に言った。「私が行って、あなた様にヘブル人の中から乳母を一人呼んで参りましょうか。あなた様に代わって、その子に乳を飲ませるために。」
8 ファラオの娘が「行って来ておくれ」と言ったので、少女は行き、その子の母を呼んで来た。
9 ファラオの娘は母親に言った。「この子を連れて行き、私に代わって乳を飲ませてください。私が賃金を払いましょう。」それで彼女はその子を引き取って、乳を飲ませた。
10 その子が大きくなったとき、母はその子をファラオの娘のもとに連れて行き、その子は王女の息子になった。王女はその子をモーセと名づけた。彼女は「水の中から、私がこの子を引き出したから」と言った。
1,モーセの誕生
2~3節「彼女は身ごもって男の子を産み、その子がかわいいのを見て、三か月間その子を隠しておいた。しかし、それ以上隠しきれなくなり、その子のためにパピルスのかごを取り、それに瀝青と樹脂を塗って、その子を中に入れ、ナイル川の岸の葦の茂みの中に置いた。」
エジプトにヨセフを知らない王が起こります。彼はイスラエルの祝福を脅威と受け止め、生まれた男の子をナイル川に投げ込むよう命じます。そのような困難の時代の中に、モーセが誕生します。
2,神様の不思議な導き
9節「ファラオの娘は母親に言った。『この子を連れて行き、私に代わって乳を飲ませてください。私が賃金を払いましょう。』それで彼女はその子を引き取って、乳を飲ませた。」
母親は3か月間モーセを隠しますが、それが限界でした。人間の限界を超えたところに神様は働かれます。ファラオの娘がナイル川の岸の茂みに置かれたその子を見つけます。そして、知らずに実の母親を乳母として雇うのです。そしてモーセは王女の息子になりました。
3,水の中から引き出された子
10 節「その子が大きくなったとき、母はその子をファラオの娘のもとに連れて行き、その子は王女の息子になった。王女はその子をモーセと名づけた。彼女は『水の中から、私がこの子を引き出したから』と言った。」「モーセ」と名づけたのはファラオの娘で、それは「引き出す」という意味の言葉が語源です。こうしてナイル川から引き出されたモーセが、やがてイスラエルをエジプトから引き出す指導者になります。神様はひとりの人の救いから、大きな救いの働きをなされます。