*聖書のお話し(バイブル・メッセージ)
「題」 「神のための戦い」
聖書の箇所 「列王記上 18:17~40」 (日本聖書協会:口語訳聖書より引用)
18:17 アハブはエリヤを見たとき、彼に言った、「イスラエルを悩ます者よ、あなたはここにいるのですか」。
18:18 彼は答えた、「わたしがイスラエルを悩ますのではありません。あなたと、あなたの父の家が悩ましたのです。あなたがたが主の命令を捨て、バアルに従ったためです。
18:19 それで今、人をつかわしてイスラエルのすべての人およびバアルの預言者四百五十人、ならびにアシラの預言者四百人、イゼベルの食卓で食事する者たちをカルメル山に集めて、わたしの所にこさせなさい」。
18:20 そこでアハブはイスラエルのすべての人に人をつかわして、預言者たちをカルメル山に集めた。
18:21 そのときエリヤはすべての民に近づいて言った、「あなたがたはいつまで二つのものの間に迷っているのですか。主が神ならばそれに従いなさい。しかしバアルが神ならば、それに従いなさい」。民はひと言も彼に答えなかった。
18:22 エリヤは民に言った、「わたしはただひとり残った主の預言者です。しかしバアルの預言者は四百五十人あります。
18:23 われわれに二頭の牛をください。そして一頭の牛を彼らに選ばせ、それを切り裂いて、たきぎの上に載せ、それに火をつけずにおかせなさい。わたしも一頭の牛を整え、それをたきぎの上に載せて火をつけずにおきましょう。
18:24 こうしてあなたがたはあなたがたの神の名を呼びなさい。わたしは主の名を呼びましょう。そして火をもって答える神を神としましょう」。民は皆答えて「それがよかろう」と言った。
18:25 そこでエリヤはバアルの預言者たちに言った、「あなたがたは大ぜいだから初めに一頭の牛を選んで、それを整え、あなたがたの神の名を呼びなさい。ただし火をつけてはなりません」。
18:26 彼らは与えられた牛を取って整え、朝から昼までバアルの名を呼んで「バアルよ、答えてください」と言った。しかしなんの声もなく、また答える者もなかったので、彼らは自分たちの造った祭壇のまわりに踊った。
18:27 昼になってエリヤは彼らをあざけって言った、「彼は神だから、大声をあげて呼びなさい。彼は考えにふけっているのか、よそへ行ったのか、旅に出たのか、または眠っていて起されなければならないのか」。
18:28 そこで彼らは大声に呼ばわり、彼らのならわしに従って、刀とやりで身を傷つけ、血をその身に流すに至った。
18:29 こうして昼が過ぎても彼らはなお叫び続けて、夕の供え物をささげる時にまで及んだ。しかしなんの声もなく、答える者もなく、また顧みる者もなかった。
18:31 そしてエリヤは昔、主の言葉がヤコブに臨んで、「イスラエルをあなたの名とせよ」と言われたヤコブの子らの部族の数にしたがって十二の石を取り、
18:32 その石で主の名によって祭壇を築き、祭壇の周囲に種二セヤをいれるほどの大きさの、みぞを作った。
18:33 また、たきぎを並べ、牛を切り裂いてたきぎの上に載せて言った、「四つのかめに水を満たし、それを燔祭とたきぎの上に注げ」。
18:34 また言った、「それを二度せよ」。二度それをすると、また言った、「三度それをせよ」。三度それをした。
18:35 水は祭壇の周囲に流れた。またみぞにも水を満たした。
18:37 主よ、わたしに答えてください、わたしに答えてください。主よ、この民にあなたが神であること、またあなたが彼らの心を翻されたのであることを知らせてください」。
18:38 そのとき主の火が下って燔祭と、たきぎと、石と、ちりとを焼きつくし、またみぞの水をなめつくした。
18:39 民は皆見て、ひれ伏して言った、「主が神である。主が神である」。
18:40 エリヤは彼らに言った、「バアルの預言者を捕えよ。そのひとりも逃がしてはならない」。そこで彼らを捕えたので、エリヤは彼らをキション川に連れくだって、そこで彼らを殺した。
1、エリヤとその時代
エリヤは北王国アハブ王の時代、イスラエルがバアル礼拝に陥った時、彗星のように現れた預言者です。前触れも説明もなしに、突然エリヤは登場します。(列王上17:1) しかし、人には突然のように見えても、神はその時代その状況の中、ふさわしい人物を必ず用意しておられ、エリヤはまさにその時代が求めていた神の器でした。アハブが北王国イスラエルの王になった時、国は信仰的、霊的に最悪の状況となりました。「オムリの子アハブは、彼以前のだれよりも主の目の前に悪を行った。」 彼は国中に公然と汚れたバアル礼拝を行いました。バアルは、異国の農業神で豊作をもたらす偶像です。アハブの妻イゼベルが結婚と同時に持ち込んだのです。悪の勢力が強大になる時、神の奇跡の力も顕著に現れてきます。預言者エリヤの時代は、神の奇蹟的介入を必要としていました。
2、よろめく民、その前に立つエリヤ
エリヤは、偶像礼拝に傾いたイスラエルの民を目覚めさせ、偶像礼拝から救い、生ける神に立ち返らせるために立ち上がります。カルメル山に民とバアルとアシラの預言者を集め、祭壇を築きその上にいけにえをささげ、天から火をもって答える神を神とするという闘いをしかけたのです。その結果、エリヤの祈りに神が答えられ、天から火が降りいけにえを焼き尽くします。民はひれ伏し「主が神である」と、バアルを捨て主に立ち返ったのです。
3、神を神とせよ
エリヤの戦いと挑戦は、主とバアルの間でよろめいている<民>でした。民はバアルに仕えながら神を捨てたとは思わず、主を拝しながらバアル礼拝も行っいたのです。この二股礼拝は、神が最も嫌われる礼拝に他なりません。(マタイ6:24、ヤコブ4:8、1ヨハネ2:15)今日も、エリヤの挑んだ同じ戦いがあります。教会やクリスチャン生活の中に、主以外のものが入り込んで支配することがあります。神のみことばできよめられ、生活と行動において、ぶれない信仰に生きましょう。