題: 「主の御顔を避ける」
聖書の箇所 「ヨナ書1章1~17節」(旧約P.1577)
※聖書:新改訳2017©2017 新日本聖書刊行会
1 アミタイの子ヨナに、次のような主のことばがあった。
2 「立ってあの大きな都ニネベに行き、これに向かって叫べ。彼らの悪がわたしの前に上って来たからだ。」
3 しかし、ヨナは立って、主の御顔を避けてタルシシュへ逃れようとした。彼はヤッファに下り、タルシシュ行きの船を見つけると、船賃を払ってそれに乗り込み、主の御顔を避けて、人々と一緒にタルシシュへ行こうとした。
4 ところが、主が大風を海に吹きつけられたので、激しい暴風が海に起こった。それで船は難破しそうになった。
5 水夫たちは恐れて、それぞれ自分の神に向かって叫んだ。そして、船を軽くしようと船の積荷を海に投げ捨てた。一方、ヨナは船底に下りていて、横になってぐっすり寝入っていた。
6 すると船長が近づいて来て、彼に言った。「いったいどうしたのか。眠りこけているとは。起きて、あなたの神に願いなさい。もしかすると、その神が私たちに心を留め、私たちは滅びないですむかもしれない。」
7 人々は互いに言った。「さあ、だれのせいで、このわざわいが私たちに降りかかったのか、くじによって知ろう。」彼らがくじを引くと、そのくじはヨナに当たった。
8 そこで彼らはヨナに言った。「話してくれ。だれのせいで、このわざわいが私たちに降りかかったのか。あなたの仕事は何か。どこから来たのか。国はどこか。どの民の者か。」
9 ヨナは彼らに言った。「私はヘブル人です。私は、海と陸を造られた天の神、主を恐れる者です。」
10 人々は非常に恐れて、彼に「何ということをしたのか」と言った。人々は、ヨナが彼らに告げたことによって、彼が主の御顔を避けて逃れようとしていることを知ったからである。
11 彼らはヨナに言った。「私たちのために海が静まるようにするには、あなたをどうすればよいのか。」海がますます荒れてきたからである。
12 ヨナは彼らに言った。「私を抱え上げて、海に投げ込みなさい。そうすれば、海はあなたがたのために静かになるでしょう。私は分かっています。この激しい暴風は、私のせいであなたがたを襲ったのです。」
13 それでも人々は船を陸に戻そうと漕いだが、そうすることはできなかった。海がますます彼らに向かって荒れてきたからである。
14 そこで彼らは主に向かって叫んだ。「ああ、主よ。どうか、この男のいのちのことで、私たちが滅びることのないようにしてください。咎なき者の血の報いを、私たちの上に下さないでください。主よ。あなたは、望まれたとおりになさったのですから。」
15 こうして、彼らはヨナを抱え上げ、海に投げ込んだ。すると激しい怒りがやんで、海は凪になった。
16 人々は非常に主を恐れ、主にいけにえを献げて誓願を立てた。
17 主は大きな魚を備えて、ヨナを吞み込ませた。ヨナは三日三晩、魚の腹の中にいた。
1,主の御顔を避ける
2~3節「『立ってあの大きな都ニネベに行き、これに向かって叫べ。彼らの悪がわたしの前に上って来たからだ。』しかし、ヨナは立って、主の御顔を避けてタルシシュへ逃れようとした。彼はヤッファに下り、タルシシュ行きの船を見つけると、船賃を払ってそれに乗り込み、主の御顔を避けて、人々と一緒にタルシシュへ行こうとした。」
ニネベはイスラエルの敵、アッシリアの首都です。ヨナは敵国に預言することを拒み、正反対のタルシシュに向かいます。御顔を避けるということは、主の愛のまなざしを否定して、心を暗くすることです。
2,主を恐れる者
9~10節「ヨナは彼らに言った。『私はヘブル人です。私は、海と陸を造られた天の神、主を恐れる者です。』人々は非常に恐れて、彼に『なんということをしたのか』と言った。人々は、ヨナが彼らの告げたことによって、彼が主の御顔を避けて逃れようとしていることを知ったからである。」
ヨナは主から逃れることができず、捕らえられます。激しい暴風の中でも身動き一つしませんでしたが、くじが当たり、とうとう「主を恐れる者です」と告白せざるを得なくなります。
3,主のあわれみ
17節「 主は大きな魚を備えて、ヨナを呑み込ませた。ヨナは三日三晩、魚の腹の中にいた。」
ヨナは自分を海に投げ込むように要求します。そこまでしてでも、主から逃れようと思ったのかもしれません。しかしなお、主はヨナを捕らえます。主は逃れる者も敵対する者も捕える、あわれみ深いお方です。