題: 「聖書に耳を傾ける」
聖書の箇所 「ルカの福音書16章19~31節」(新約P.151)
※聖書:新改訳2017©2017 新日本聖書刊行会
19 ある金持ちがいた。紫の衣や柔らかい亜麻布を着て、毎日ぜいたくに遊び暮らしていた。
20 その金持ちの門前には、ラザロという、できものだらけの貧しい人が寝ていた。
21 彼は金持ちの食卓から落ちる物で、腹を満たしたいと思っていた。犬たちもやって来ては、彼のできものをなめていた。
22 しばらくして、この貧しい人は死に、御使いたちによってアブラハムの懐に連れて行かれた。金持ちもまた、死んで葬られた。
23 金持ちが、よみで苦しみながら目を上げると、遠くにアブラハムと、その懐にいるラザロが見えた。
24 金持ちは叫んで言った。『父アブラハムよ、私をあわれんでラザロをお送りください。ラザロが指先を水に浸して私の舌を冷やすようにしてください。私はこの炎の中で苦しくてたまりません。』
25 するとアブラハムは言った。『子よ、思い出しなさい。おまえは生きている間、良いものを受け、ラザロは生きている間、悪いものを受けた。しかし今は、彼はここで慰められ、おまえは苦しみもだえている。
26 そればかりか、私たちとおまえたちの間には大きな淵がある。ここからおまえたちのところへ渡ろうとしても渡れず、そこから私たちのところへ越えて来ることもできない。』
27 金持ちは言った。『父よ。それではお願いですから、ラザロを私の家族に送ってください。
28 私には兄弟が五人いますが、彼らまでこんな苦しい場所に来ることがないように、彼らに警告してください。』
29 しかし、アブラハムは言った。『彼らにはモーセと預言者がいる。その言うことを聞くがよい。』
30 金持ちは言った。『いいえ、父アブラハムよ。もし、死んだ者たちの中から、だれかが彼らのところに行けば、彼らは悔い改めるでしょう。』
31 アブラハムは彼に言った。『モーセと預言者たちに耳を傾けないのなら、たとえ、だれかが死人の中から生き返っても、彼らは聞き入れはしない。』」』
1,ラザロと金持ち
22~23節「しばらくして、この貧しい人は死に、御使いたちによってアブラハムの懐に連れて行かれた。金持ちもまた、死んで葬られた。金持ちが、よみで苦しみながら目を上げると、遠くにアブラハムと、その懐にいるラザロが見えた。」
当時のユダヤでは、富は神様からの祝福と考えられていました。ところが死後、ラザロが天に受け入れられ、金持ちはよみに降ります。天の国は、この世界の力や価値観とは異なるのです。
2,大きな淵
26節「そればかりか、私たちとおまえたちの間には大きな淵がある。ここからおまえたちのところへ渡ろうとしても渡れず、そこから私たちのところへ越えて来ることもできない。」
金持ちはアブラハムにあわれみを求めます。救いではなく、数滴の水を求めたのは罪を自覚していたからかもしれません。しかしアブラハムでさえ越えることのできない大きな淵があると言います。天の国とよみの間にある隔ては、優れた信仰者でも越えることはできません。
3,聖書に耳を傾ける
31節「アブラハムは彼に言った。『モーセと預言者たちに耳を傾けないのなら、たとえ、だれかが死人の中から生き返っても、彼らは聞き入れはしない。」
「モーセと預言者たち」とは旧約聖書のことです。アブラハムは、聖書のことばに耳を傾けないのなら、だれかが死人の中から生き返っても、聞き入れないと言います。聖書に記された神様の恵みであるイエス様の救いを受け入れること以外に、救いの道はありません。